骨董品知識 - 鳴り金
岡倉天心は著書の「茶の本」で鳴り金についてこう記しております。

主人は、客がみなその座につき、鉄の茶釜のなかのたぎる湯の音のほかには沈黙を破る何物もないまでに静寂が支配するに至って、
はじめて室中へ入ってくるであろう。茶釜は申し分なく歌っている、それというのは、特殊な旋律を出すようにその底に鉄片が並べてあるからである。
そうしてその旋律のなかに旋律のなかに、入は、雲に覆われた滝の、岩の問に砕けるはるかな海の、竹林を吹き払う雨風の、さてはどこか向こうの丘に立つ桧の颯々たるひびきの、こだまを聞くこともできるのである。